公式も重要だが発想時は縛られ過ぎず
インスピレーションを大切に

 前回は、映画監督・深酒欣二さん、女優・松茸子さんなどにご登場頂き、母音交換・子音交換についてあれこれ解説させて頂きました。さて今回も引き続き母音子音絡みをグイングインと攻めていきます。

 「母音交換」「子音倒置」「同行変換」「部分削除」…等の「石黒式ダジャレ構造分類」についてさらっと述べましたが、僕自身もこれらはあくまでダジャレを自然に発した、というか思いついたあとで系統的に分析・分類していったわけです。

 ただ、ひらめくことのほうが圧倒的に多いとはいえ、もはやライフワーク、半仕事になっているから、会話中にある言葉を耳にしたらどうダジャるか意識的に音をズラして考えるときもあるにはあります。

 しかし、僕のように特殊な人は別にしてですね、日本人の99.999%を占めるであろうダージャリスト以外の人であれば、ダジャレが出てくる時は、その都度ロジカルに考えて思いつくものではありませんよね。アタマの中に公式ができあがっていれば早いから有利ではありますが(何に対して……)、ロジックがインスピレーションを追い越せるわけがないので順序としてはあくまで「似てる!」とひらめくのが先。

 では、母音や子音が似ていることはどんな回路でひらめくのか、その感覚をつかんでいただきたい。前回の例では標本数が少な過ぎるでしょうから、今回はいつもとちょい趣向を変えまして、ダジャレ中心の気楽な形式でひらめき方プラス構造などをさらさらと解説しましょう。たまには普通にダジャレが多いのも息抜きでいいかなと。僕が思いついたばかりの実例を56個、惜しげもなく貴明あげながら…いや、石橋あげながら…いや、ビシバシあげながら、練習試合的なスタイルでいってみましょう。