「ハロー効果」に「対比誤差」
企業のマネジメントにも繋がる課題

 さて、漫才の一大イベントというのは、漫才師にとって最大の関心事でも、私たち一般のビジネスパーソンにとっては「対岸の火事」です。でも、私たちの世界でも今回の騒動と似たような騒ぎが起きていることには注意すべきです。

 日本企業の人事評価は、多くの企業で評価者教育が遅れています。課長やリーダーといった部下を持つ立場になると、人事評価は一番重要な仕事の1つなのですが、そこでの評価基準や評価スキルの教育はきちんとなされていないのが、多くの企業における実情です。

 さらに言えば、いくら評価者を教育しても、人間が人間を評価する際にはさまざまな偏向が必ず起きることがわかっています。「ハロー効果」といって、1つの部分が優れている人を、他の部分も同様に優れているかのように認識してしまう評価傾向は常に起きます。関係性のいい部下には寛大化の傾向、関係性の悪い部下には厳格化の傾向で評価を下すケースも多々あります。

「対比誤差」といって、評価する側の人間が得意なことについては評価が辛くなり、あまり得意ではないことについては評価が甘くなるという傾向もあります。

 M-1グランプリの場合は、審査員も頂点の人たちで、このあたりはかなり理解した上で評価しているようですが、それでもあれだけの議論が起きるわけです。そこから私たちが学ぶべきことは、審査員を批評することではなく、私たちが所属する組織の方が「もっと評価についてカイゼンすべき点が多いのではないか」ということです。

 そうしたことに注意して見直す方が、ずっと待遇のカイゼンにつながることだと思いますが、みなさんはどう思うでしょうか。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)