依然として資産運用は怖いから、面倒くさいからといって預貯金100%の人も多いと思います。この場合、上記の債券100%と同様、長期で長生きリスクにさらされることになります。逆に、資産運用をギャンブルのように考えている人の中には、多くの資金を個別銘柄やテーマ株投信などで運用している人もいるでしょう。この場合、老後の人生プランが市場に大きく依存することになり、コントロール不能な人生になってしまう可能性が高いのです。大事なのはどちらかではなく組み合わせなのです。

 ここでは、単純に株式と債券に半分ずつ投資した場合のシミュレーションを実施してみました。80歳までの資産残存確率は96.6%、90歳は48.7%、そして100歳は18.7%となります。株式100%と比べて債券が入ったことで前半の確実性が上がる一方、後半の資産残存確率は低下します。また株式100%のときに最悪の場合、76歳でお金がなくなりましたが、株式と債券を組み合わせると81歳まで資産が持つようになり、株式100%よりも5年ほど長持ちするようになりました。

 今回は単純に株式と債券を半分ずつとした場合を検証しましたが、大事な点は老後の局面によって資産配分を変えることです。定年退職したばかりはまだ投資期間が長く比較的高いリスクをとって高いリターンを目指せますが、年齢を重ね投資期間が短くなるとリスクがとりづらくなるため、徐々に低リスク・低リターンにシフトしていくなどのきめ細かい対応が必要となります。次回はこの点について詳細にお話ししたいと思います。

今回の川柳
長生きに 対するコツは 組み合わせ

(アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長 後藤順一郎)

※本記事中の発言は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属するアライアンス・バーンスタイン株式会社の見解ではありません。