ゴーン氏逮捕の日本の報道ぶりを海外から見ると、一種の違和感があるようだ写真:ユニフォトプレス

 今回のカルロス・ゴーン氏の逮捕について、筆者自身は同氏について、あるいは日産・ルノー各社に関する言及は控えたいと思います。理由は、法的に同氏は容疑者であり犯罪者と確定していないこと、また筆者も仕事上長年にわたり、ルノー・日産のアライアンスに深く関わっているという職業倫理からです。

 ただ、現段階でみなさんに1つだけお伝えしたいことがあります。それは、今回も牙を剥いた日本社会の特質ともいえる「集団的な手のひら返し」です。

圧倒的に高い日本での関心

 今回の逮捕劇に関し、世界のメディアやSNSを通じ発信された情報量や露出の頻度は、フランスはじめ他国に比べ、圧倒的に日本で多いように思われます(今週月~水曜の3日間の日仏英3ヵ国語による検索による)。

 そのこと自体は、本件が日産という日本に本社を置く企業が発信源となり、日本の司法管轄事項として日本で逮捕されたことなので、不思議ではありません。特に、こうした情報源に近い日本のメディアから発せられる報道が多くなるのは当然です。