修正アライアンス基本契約は
本当にルノーを封じ込んでいるのか

 RAMA(修正アライアンス基本契約)の第3度修正契約の要旨に基づけば、「日産の取締役会が日産の年次総会に提出する、日産の取締役会の任命、解任及び報酬の支払いに関する決議に賛成票を投じ、日産の年次総会に日産の取締役会が承認していない決議を提出せず、そのような決議に賛成票を投じないというルノーの役割に関するものである。これらの決議については、ルノーは日産の取締役会の勧告に従って投票する。そうしない場合、日産はルノー株式を事前の同意を得ずに取得することができる」とされている。

 これを平たく解説すれば、「ルノーが日産の独立性や利益に対して脅威を与えるような行動をした場合、日産はルノーの株式を買い増す権利を持つ」ということだ。ちなみに、日本の会社法の規定で、日産がルノー株を25%まで買い増せば、ルノーの日産に対する議決権は消滅し、実質的な支配力を失う。

 このRAMAは、2015年に3度目の修正が入った。フランス政府がフロランジュ法を制定し、ルノーと日産の統合に向けた圧力を増したときに、ゴーン氏自身が主導し、日産の経営の独立性を守る目的でフランス政府と渡り合い、勝ち取った修正内容である。日産取締役会に対するルノーの影響が、本当にこのRAMAの抜粋の表現通りに支配されているのであれば、ルノーは日産の議決権の43%を握っているが、実態として日産の取締役会の任命、解任権を持っていないことに等しい。同時に、日産の取締役会はルノー・日産のアライアンスの未来を左右する力を有していると言って過言ではない。

 多くのメディアが報じてきた通り、フランス政府がルノーを通じて日産の独立性へ介入してくるようなことがあれば、日産はこのRAMAに記された権利を行使するであろう。一方、ルノーは、日産の取締役会決議で合意がなければ、日産株を買い増すことができない。

 この状況下でルノーが日産支配に勝機を見出すためには、43%の議決権を用いて、日産取締役会メンバーをルノーに有利な構造へ変えていかなければならない。その重要な役割は、今後ルノーから推挙されるであろう、ゴーンに代わる新取締役が演じるのだ。