更年期の妻更年期の妻を救うには、夫のサポートが必須です(写真はイメージです) Photo:PIXTA

40代後半になると、多くの女性が悩まされる「更年期」の症状。しかし、『「更年期」の意外な症状、心筋梗塞・リウマチ・うつとの誤認も』でも書いたように、更年期症状と更年期障害は違う。家族や周囲に迷惑をかけたり、自分のライフスタイルが変化してしまうほどに重い症状を持つ場合は“更年期障害”と診断され、更年期世代の女性の2~3割はこれに該当するといわれているのだ。実は重症化した女性の更年期の症状がきっかけで夫婦関係に亀裂が入り、離婚へと向かってしまった夫婦もいる。

では、更年期障害と診断されるほど重い症状が出てしまう人たちには、何か共通点があるのだろうか。東京・銀座にある女性の健康管理クリニック・小山嵩夫クリニックの小山嵩夫院長に重い症状に悩まされる女性の共通点を伺うとともに、そうした更年期の症状を夫や子どもの助けを借りて上手に乗り越えた家族の事例を紹介する。(メノポーズカウンセラー、更年期ジャーナリスト 日々晴雨)

いつまでも話し続ける女性は、
更年期の症状が重症化している可能性

小山嵩夫クリニック・小山嵩夫院長小山嵩夫クリニック・小山嵩夫院長

「責任感の強い人、どんなことでも真面目に取り組む人、気分転換や気持ちの切り替え・ストレス発散の下手な人……家庭や会社で問題が起きると『私がなんとかしなきゃ』『私がやるべきことなんだ』と全部受け止めて抱え込んでしまう、そういう人は更年期の症状が重症化する傾向にあります」

 小山医師は続ける。

「更年期症状で悩まされている人は、とにかく自分のことを人にわかってもらいたいのです。うちのクリニックにいらっしゃる患者さんも、そのために本当によく話をされますよ。けれども話を聞くという行為は、何も医師じゃなきゃダメということはない。家族にだってできることです。毎日たった15分でいいから、ご主人やお子さんが話を聞く。これは更年期女性の立派なヘルプになります。夫や子どもに予定があることはわかっているから、女性もいつまでも話し続けるつもりはない。聞いてくれる人の状況に配慮して、やめ時を見極められるはずです。もしも、つけるべき区切りが判断できずに話が延々と続く、堂々巡りで終わらないとなる場合は、かなり精神的な症状が重くなっているという証拠だといえるでしょう」