喫煙はこれまでも高くついてきたが、米たばこ大手アルトリア・グループの直近の出資は事実上の無駄遣いと言えそうだ。。サンフランシスコに拠点を置くジュールの企業価値は380億ドルということになる。7月の資金調達ラウンドに基づく企業価値の2倍以上だ。その出資は戦略的には理にかなっているが、電子たばこに出遅れたアルトリアは方向転換に法外な額を費やすことになってしまった。アルトリアのハワード・ウィラード最高経営責任者(CEO)は5月の就任以来、紙巻たばこからの脱却と多角化を急いできた。2週間前にはカナダの大麻生産会社クロノス・グループの株式45%を18億ドルで取得したことを明かしていた。この2つの出資により、アルトリアの純負債額は予想EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の2.6倍という水準に達する。同社は増加する金利コストを賄うために最大6億ドルの経費削減を実施することになる。
電子たばこ大手に出資、必死の「マールボロ」
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