中途採用の人材は社会経験があるものの、前職でのワークスタイル、自分のやり方に固執するため、新たな職場環境で活躍しないことに悩みを抱えている経営者は少なくありません。ところが新卒を入社前から即戦力化し、入社後すぐに現場で活躍できる育成方法に注力する会社が増えているようです。そんな企業はどんな点を心がけて育成しているのか、(株)Legaseed(レガシード)の近藤悦康氏がお伝えします。
「即戦力は中途採用」
人事コンサルタントとして、さまざまな業界、業種の経営者や採用担当者と話をしていると、こんなイメージを持たれている方が多いようです。
ところが実際に中途採用しても満足できる成果が出ているところは少ないのが実情ではないでしょうか。そこで今回は、人事コンサルタントや経営者の経験から新卒で即戦力人材を獲得するにはどうすればいいのか、お伝えしていきます。
人手不足が深刻に。「質」か「量」か!?
基準を下げた採用は現場を混乱させる
今年の10月30日に厚生労働省が発表した有効求人倍率は1.64倍、15~64歳の男女の就業率は77.3%と過去最高を更新しています。「人手不足」が原因で倒産する企業も前年比2割増と深刻な採用難が続いています。
特に新卒採用に関し、従業員が300人未満の中小企業に絞って見ると、求人倍率が9.91倍。すなわち、中小企業に絞って就活をすればほぼ10社からオファーが来る計算です。実際に内定辞退率は65%に達し、10人に内定を出しても約3~4人しか入社してくれない「超・売り手市場」になっています。