ただ、フランスでは11年からガソリンと軽油に1リットル=2.5ユーロ未満の地方税を上乗せする施策が認められている。とくに軽油については地方税の加算額が増えており、1リットル当たり1.5ユーロの加算を行う自治体もある。さらにフランスの場合、車両購入時にモード試験でのCO2(二酸化炭素)排出に応じて、2段階のCO2税が徴収される。

 EU内で比較すると、燃料に占める税金の比率が最も高いのは、RON91ガソリンがオランダ0.772ユーロ(約99円)、イタリア0.728ユーロ(約94円)。軽油税はイギリス0.68ユーロ(約87円)、イタリア0.617ユーロ(約79円)。ガソリン税と軽油が同額なのはイギリスだけである。

 また、自動車燃料に課せられるVATはハンガリーが最も高く27%、デンマーク、スウェーデン、クロアチアは25%台、フィンランドとギリシャが24%台、最も低いルクセンブルクでも17%である。フランスの19.6%はEU内で見れば平均以下だ。

日本の場合は?
“税額が低い”とも

 念のため紹介しておくと、日本の場合、ガソリン1リットルにつき53.8円のガソリン課税(本則税額28.7円+暫定税額25.1円)があり、軽油の場合は1リットルにつき32.1円の軽油引取税(漁船が使う軽油はこの税金の対象外)がかかる。この税金を含んだ燃料代に8%の消費税がかかる。欧州諸国の例と比べると、日本は“税額が低い”ともいえる。

 こうして数値を比べてみると、フランスの燃料税は“毎年じわじわと上がり続けた”結果、国民の反感を買ったようにも思える。支持率が低下しているマクロン大統領は増税をひとまず凍結せざるを得なくなった。最低賃金を引き上げるという新しい労働対策を実施する方針などについては、18年12月10日の大統領演説で触れている。

 しかし、燃料税の見直しを毎年行うことや、マクロン政権が掲げるCO2削減目標のために自動車燃料税を環境税的な位置づけにするという現在の路線はどうなるだろうか。この議論は19年以降に持ち越された。

(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)