環境問題写真はイメージです Photo:PIXTA

FinTechやAIなど様々な言葉が投資の世界でテーマになっては、また別のテーマに移り行くが、近年意識されているテーマの1つは「環境」である。日常生活の中ではそれほど意識する機会がないかもしれないが、地球上で暮らしている以上、環境破壊の影響は万人が避けられない。今回は環境問題の身近な例として、我が国における海洋汚染について取り上げていく。なかでも、2020年には東京五輪も開催されるが、競技会場としても利用される東京湾について、公開されているデータを基に実態を詳しく見ていきたいと思う。(株式会社マネネ 代表取締役社長CEO 森永康平)

投資において注目される環境配慮「ESG投資」とは

 近年、投資業界の中で「ESG投資」という言葉が流行っている。ESG投資とは何かを理解するために、まずESGが何かを簡単に説明しよう。ESGは環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)のそれぞれの頭文字を取ったものである。長期的な運用をするにあたり、これら3つの点を経営上重視している企業に投資することは将来的に良いリターンにも結び付くという発想に基づき、ESGを重視している企業への投資比率を引き上げて投資する手法である。

 従来は既存の財務情報を基に、今後期待される利益成長率などを用いて理論株価を算出し、現在の株価が割安であれば投資するなどの手法が一般的だが、ESGにおける投資判断は非財務情報に基づいているため、実際の投資においてリターンに繋がるのかどうかについては、依然として議論が対立している部分でもある。