銀行の看板Photo by Takahiro Tanoue

『週刊ダイヤモンド』12月29日・1月5日新年合併特大号の第一特集は「総予測 2019」です。毎年恒例の超人気企画ですが、今年は、ありえないほどに大幅増強!なんと、40人の経営者がインタビューで登場します。さらに識者50人が株価や景気、為替、政治、文化を予測。また、週刊ダイヤモンド編集部の記者25人が金融、産業業界が、どう動くかも執筆しています。つまり、総勢115人が2019年を見通す、総合計272ページの豪華な一冊になっているのです!ここでは誌面の一部を紹介。メガバンクと地方銀行が、それぞれ生き残るための「課題と弱点」がハッキリ浮かび上がった2019年。お互いの動向に注目します。

 2019年、銀行業界の天気予報は18年と変わらず「雨」となり、地方銀行にとっては、再編がさらに加速する一年となるだろう。

 目下、業界を取り巻く最大の課題は、日本銀行の金融緩和政策によって屋台骨の融資事業が低迷しているという構造不況だ。特に地銀は経営環境が厳しい。金融庁の統計によると、地銀全体の18年度上期決算は純利益が前年同期比29.8%減と大幅に落ち込んだ。

 近年、生き残りを懸けて再編を進めてきた地銀にとって、経営統合が重要な選択肢であることに変わりはない。そんな中、18年8月には再編の追い風となる出来事が起きた。長崎県の地銀2行の統合に対し、独占禁止法の観点から「待った」をかけていた公正取引委員会が、一転して認可したのだ。認可を得るため、地銀2行は取引先のシェア調整を行っており、他行にとっても公取の“拒絶”をかわす上での参考になったといえる。