『週刊ダイヤモンド』12月29日・1月5日新年合併特大号の第一特集は「総予測 2019」です。毎年恒例の超人気企画ですが、今年は、ありえないほど大幅に増強しました。なんと、40人の経営者がインタビューで登場します。さらに識者50人が株価や景気、為替、政治、文化を予測。また、週刊ダイヤモンド編集部の記者25人が金融、産業業界が、どう動くかも執筆しています。つまり、総勢115人が2019年を見通す、総合計272ページの豪華な一冊になっているのです!
(1)ハイテク覇権で米中に出遅れ
国内製造業の苦境


浅島亮子デスク(製造業担当) 今日みんなに集まってもらったのは、2019年の企業の動きについて先取りして教えてほしかったからです。今回、「総予測」特集の取材を進めながら、どんなことが19年のトピックになると思った?

新井美江子記者(自動車・電機担当) 米中経済戦争が日本企業に与えるインパクトは甚大です。米中の争いは、通商戦争の範疇を超えて、将来の飯の種を競うハイテク覇権争いになっています。

浅島D 確かにそうだね。日本政府は、中央省庁などで使用する製品・サービスから中国の華為技術(ファーウェイ)製品を排除する方針。日本の電子部品・通信企業はファーウェイら中国企業との取引が大きく、国内企業にとって米中戦争は対岸の火事ではない。
世界の時価総額ランキングの上位陣は米中の企業ばかり。アリババ・グループ・ホールディングやテンセント・ホールディングスなどの中国IT企業の成長は著しい。それに比べて、日本はトップのトヨタ自動車ですら35位(ランキング表参照)。なかなか、日本企業の立ち位置は厳しい。
