証拠を突き付けられた
課長がついに観念

 10日後、D部長はA課長の自宅へ行った。A課長はBからセクハラ呼ばわりされて以来、メンタルヘルス不調となり、ずっと会社を休んでいたのだった。

 D部長は「Aさん、具合はどうですか?」と体調を気遣いつつも、Bと営業部社員たちの証言を説明し、A課長に事実なのかどうか確認を求めた。するとA課長は、一連の行動を真っ向から否定した。

「私はセクハラをしていません。B君には仕事の指導をしていたんです」
 ところがD部長が例のスマホの動画を見せると、A課長はみるみるうちに顔が青ざめ、泣き崩れた。

A課長にどんな
処分が下ったのか

 その後復帰したA課長は厳重注意の上、総務部に異動となり、課長から主任に降格となった。

 また、今回の件を重く見た甲社は、全管理職を対象に「セクハラ・パワハラ防止規程」の内容について踏み込んだハラスメント研修を複数回行うことにした。

 営業部にはA課長の代わりに新しい課長が着任し、Bはセクハラを受けることがなくなった。そしてBは主任試験に合格し、新たな得意先を次々と開拓していった。ところが、B主任は新たな悩みを抱えることになってしまったのである。

 なぜならB主任は大口契約を獲得した取引先の女社長にたいそう気に入られたからだ。その女社長は実は酒豪だった。そして酒豪の女社長に夜な夜な呼び出され、酒の相手をさせられる羽目に…。

「俺、営業マンじゃなくて、まるでホストクラブに入社したみたいだ」

 B主任は毎日心の中でこうぼやいていた。

「新年からロクなことがない。いっそのこと、神社へ行ってお祓いしようかな…」

 イケメンゆえの受難は、まだまだ当分続きそうだ。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため社名や個人名は全て仮名とし、一部に脚色を施しています。ご了承ください。

参考:セクハラの定義と具体例 厚生労働省HP