「やぁ、今帰り。僕もこっちに来るのが遅くなっちゃって。今、メールしようと思っていたんだ」

 満面の笑みで言われると、來未さんの胸はたちまち、懐かしさでいっぱいになり、駆け寄って、腕を組み、頬をすりすりしたい衝動にかられた。

マルチ商法を指摘すると
元彼の態度が一変した

 並んで歩き、近くのレストランに入った。

 生ビールを頼んで乾杯し、オードブルを食べ終えたころ、聞かれた。

「來未、今、体調はどう。ストレスとかない」

 健康を気遣ってくれるのだろうか。昔のように、呼び捨てにされるのがうれしい。

「そうね、ストレスは、あるよ。仕事をしていたら、ない人なんていないんじゃないかしら。体調は、うーん、疲れがなかなかとれないし、肩こりがね、つらい。なんかこういう話って、年寄りっぽいね(笑)」

 話題を変えようとすると、意を決したようにまくしたててきた。

「ストレスとか体の不調はさ、食べ物や身に着けているものが原因だったりすることもあるって、知ってるかい。化学製品とか農薬とかさ、今僕らの周りにある製品は悪いものだらけなんだ。僕は今、本当に体にいいものを、社会に広める仕事をしているんだよ。僕もね、友だちから勧められて参加して、使ってみたんだけど、体調がすごくよくなった。覚えているかな。僕、ぜんそく気味だったんだけど、治ったんだ」