ネット上でも、安倍首相はウソをついているという意見が多くある。

 実際はどうだったのか。

 例えば、2018年7月14日付琉球新報の記事「県、サンゴ採捕許可 防衛局申請 食害対策条件付き 反対市民が5時間抗議」には、沖縄県水産課が、「埋め立て予定海域にある絶滅危惧種のオキナワハマサンゴ9群体を別の場所に移植するため沖縄防衛局が申請していた特別採捕を許可した」と書かれている。

 実際に、移植されたことも確認できる(「国、サンゴ移植完了/辺野古埋め立て加速」、8月7日付沖縄タイムス記事)。

 このことは、玉城デニー氏が沖縄県知事に当選する前の話だが、翁長前知事時代のことなので、玉城氏も当然、知っているはずだ。

 一方で、9月4日付琉球新報の記事には「サンゴ採捕 沖縄県が不許可 辺野古埋め立て撤回根拠に 防衛局申請の全4万群体」ともある。

 これらから考えれば、一部のサンゴは移植されたが、まだ移植されていないものもあるというのが実態だろう。この意味では、安倍首相の発言が全くのウソと断定することはできない。

 筆者が考えるのと同様の見方を書いた記事は、J-CASTニュースの「『辺野古のサンゴ』は本当に移植されたのか 安倍首相発言の真偽、地元に聞いた」がある。

 だが一方で、2019年1月8日付の琉球新報の記事は「辺野古埋め立て 首相が『あそこのサンゴは移植』」と発言したが…実際は土砂投入海域の移植はゼロ」と書いている。

 筆者の知る限りでは、日曜討論での「サンゴ移植」の首相発言は、実際の土砂投入海域と埋立予定地域を峻別し、場所を限定した議論ではなかった。琉球新報の記事は、揚げ足取りに近いものだと筆者には思える。

基地移設と環境保護は
直接の関係はない

 サンゴの問題は、いわゆる環境保護に取り組む人たちを、そのまま辺野古移設反対派にしてしまっているようだ。

 ホワイトハウスの前でも、環境保護派も加わった辺野古反対運動があると、マスコミは伝えている。

 クイーンのギタリスト、ブライアン・メイさんもこの運動に賛意を示しているようだ。ツイッターなどで「米軍基地拡張により脅かされている美しいサンゴ礁とかけがえのない生態系を守るために署名を」などと訴えているという。