国内最大の飲料会社、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスの足元が揺らいでいる。豪雨被災の不運だけでなく、市場の構造的な変化にも対応し切れていない。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)
「売上高の減少や輸送費等のコスト増により営業利益は厳しい」。吉松民雄社長が、そう認めざるを得ないほどコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(コカBJH)は困難に直面している。2018年10月、同年12月期の連結純利益が、前期比64%減の90億円になると発表。期初予想を198億円下回る大幅な下方修正だった(図1)。
その主な原因は7月の西日本豪雨にある。広島県三原市の本郷工場や物流拠点が被災し、製造能力の喪失や供給制約が発生。特別損失として79億円の計上を余儀なくされた。
同市内のシャープ三原事業所跡地を取得し、20年春稼働目標の新工場建設を進めるが、厳しい製品供給状況は当面続きそうだ。