第2に、自治体2.0では、改革派首長のトップダウンが強く、首長や行政が何とかしてくれるという「お上に頼る」市民意識を助長してしまうことが最大の問題です。まちづくりは自分たちでやった方が楽しい、より良い街にできる、ということに市民が気づく機会を行政が奪ってしまうことになりかねません。

 さらに言えば、首長のトップダウンが強いと、職員の意識改革や自主的な行動が育ちにくいことも課題となります。トップの指示に応えることで精いっぱいの職員が増え、首長が変われば元の木阿弥と言うことにもなりかねません。

自治体3.0は「自主自律」がベース

 このような自治体2.0の限界を突破するために必要なのが「自治体3.0」です。

 私がこの考え方に至った経緯には、昨今の激動する社会変化が大きく関係しています。

 前述のように、多くの自治体では、財政的にもマンパワー的にも、自分たちだけで、専門的で多様化する市民ニーズに対応することは不可能になっており、市民や事業者、専門家の力や知見を借りることが不可避となっています。

 一方で、街に飛び出し、いろんな市民や事業者と話したり、活動の現場を見れば見るほど実感するのですが、リタイア層・主婦層の地域デビューや学生等による地域活動への関心の高まり、実学志向、事業者によるCSVなど、まちづくりの担い手は従来と比較にならないほど広さも厚みも増しています。

 このような背景を踏まえれば、自治体が今後採るべき戦略として、行政しかできない課題には自治体2.0のスピード感を持って取り組みつつ、それ以外の課題には「みんなの課題はみんなで解決」を基本として、市民などにも積極的に汗をかいていただき、行政に足りない専門性なども補完いただきながら、「市民力=地域愛+まちづくりへの行動力」を最大限生かしたまちづくりを進めていくことは極めて自然な流れです。