「職種」を変えるのは
野球選手がサッカー選手になるようなもの
35歳からの転職といえば、役割としてはプレイヤーとしての業務だけではなく、マネジメントを期待されることになります。規模が大きければ課長、マネジャークラス。中堅、中小、ベンチャー企業でしたら、部長、執行役員クラスとしての役割を期待されます。ぎりぎり35歳でしたらプレイヤーとしての転職もないことはないですが、40歳以降となれば、その部署を全て任せることができる、あるいは経営幹部、経営幹部候補としての採用になります。
また、一般論として、業界を大きく変えることは難しいと言われています。まったく業界が違うと強みが活かせないことが多いからです。IT系企業での勤務経験がある方はIT系への転職が多くなる傾向にあります。
ただ、実のところ業界については変えることが可能です。一方で変えることはほぼ不可能なのが職種です。
職種を変えるということはスポーツに例えると、野球からサッカーに種目を変えるぐらいの違いがあります。業界を変えるということは、野球でショートをやっていた人がセカンドに変わるなどの違いといえるかもしれません。
では、実際に35歳以上のビジネスパーソンはどのような転職ができるのか、今回は3つの事例をご紹介しましょう。
前職での経営・営業企画+管理職経験を生かし
38歳で上場ベンチャー企業へ転職
【事例①】
Aさん(38歳)
インターネット系上場企業グループ会社での役員を経験
事業全体の戦略策定と実行
年収1250万
Aさんは大手メーカーでの海外営業経験、駐在を経て、インターネット関連企業に転職。社長の下で事業開発や経営企画、営業統括などの経験をした方でした。最終的には昇進をして、グループ会社の取締役に就任。大きな不満はないものの、本体とのシナジーが想定していたよりも得られず、事業売却が決定。その話は自分自身でリードしながら進めました。
社長からは本社に戻ってくるように説得をされましたが、Aさんは日本から海外にもっと積極的にトライできる環境を希望していました。