きっかけは、私の上の子が2~3歳の時に、おもちゃを買ってあげようと思って探したんですが、店が分からないっていうところにぶちあたりました。それでどうやらおもちゃ売り場が家電量販店などにあるようだと。それで家電量販店に行ったら、私の子ども時代とほとんど変わらないキャラクターがずらっと並んでいました。

 そこで、これは変じゃないかなと思いました。僕はもともと、キャラクター自体が子どもの成長や考え方に深く影響を与えるなと思って取捨選択していたんです。見せるキャラクターと見せないキャラクターを分けていました。

 それには原体験があって、私は幼少期におばあちゃんが「しまじろう」を契約してくれたんです。でも私は両親がいない世帯だった。それで、しまじろうの世界観が全く理解できなくて。あれは父親と母親、妹がいて、お兄ちゃんがヒーローみたいな位置付けです。うちはそういう家庭じゃなかったんです。子どもながらに、これはおかしいなって思ってたんです。

 それで、いざ自分が親になって子どもを持った時に、キャラクターもののおもちゃは慎重に選ぶようになりました。実際、アンパンマンの世界にも違和感を持っています。

――どういうところに違和感を持たれたんですか?

 アンパンマンは悪と正義を明確に分けますよね。いつもバイキンマンは意地悪をしている。ただ、なんでバイキンマンが意地悪をしているのかという背景は語られないじゃないですか。とりあえず悪者と言われて、正義のアンパンマンが出てきて、力で倒す。

 でも、今はそういう時代じゃないのではと思いました。僕らの子どもたちが大きくなるときは、正義も悪もよく分からないような、グレーばっかりの世界になっている気がしています。

 それに、現実には暴力などの力よりも違うもので落としどころを見つけることになります。そんな中でいまだに30年以上前から中身が変わっていないということに、すごく違和感を感じました。平和的なアニメは見せていましたが、“アンパンマン押し”みたいな量販店が多くて、すごく違和感がありました。