週刊ダイヤモンド2月2日号の第一特集は「サブスク革命 定額課金の衝撃」。継続的に顧客に課金し、商品やサービスを利用してもらうサブスクリプション型のビジネスモデルの最前線をレポートした。ラーメン屋などの外食業からアパレルまで、猫も杓子もサブスクでまさに百花繚乱。これだけ多くの企業が殺到する背景には何があるのだろうか。またサブスクサービスの生き残りの鍵は何なのだろうか。(週刊ダイヤモンド編集部 片田江康男)
ゆりかごから墓場まで
サブスク百花繚乱
サブスクリプション型のサービスといえば、もともとは「雑誌などの定期購読」を指す言葉だった。近年ではネットフリックスなどの映像コンテンツや、欧米のメディア企業が記事をデジタル配信する新たな成功例が生まれ、多くの人はそれらを思い浮かべるかもしれない。しかし今、世界中でメディア企業以外にも、サブスクリプションを採用する企業が増えている。
この波は日本企業にも押し寄せている。もっとも衝撃的だったのはトヨタ自動車。2019年をめどに、愛車サブスクリプションサービス「KINTO」を開始すると発表した。
他にも「野郎ラーメン」を運営するフードリヴァンプ、スタイリストが選んだ洋服が届く「エアークローゼット」、ブランドバッグ借り放題の「ラクサス」など、枚挙に暇がない。まさに「ゆりかごから墓場まで」、サブスク百花繚乱だ。
事業者がこうも積極的にサブスクに取り組む背景には、今後ますますシェアリングを好む傾向が強くなり、モノが売れなくなるという危機感がある。ここに、スマホの普及でネット上でサービスを契約することが一般的になったという事情も重なり、一気にサブスクが広がっているのだ。