中国でも反響があった
日本の「健康寿命の延伸」

 こうして見ていくと、単なる長寿社会を作るのではなく、質の高い長寿社会を目指すべきだと考えるようになった。つまり「健康寿命の延伸」をいかに図るかということだ。これは近年、日本がたどりついた “道しるべ”だとも言える。

 昨年9月、山東省泰安市で開催された介護関連のシンポジウムで講演したとき、筆者は「健康寿命の延伸」をめぐる日本社会の試みなどを紹介した。

 講演前は、中国人出席者が関心を払ってくれるのか少し不安を感じていたが、実際は非常にいい反響だった。私の後にスピーチをした人は、ほぼ全員、私が挙げたデータや主張に触れており、関心の高さを見せた。

 筆者は十数年前から、日中経済交流が「ハード」から「ソフト」へ移行していると主張している。健康寿命促進をめぐる日本の試みは、中国にとって非常にすばらしい参考事例になる。この分野の交流は、これからますます強化されていくだろうと思う。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)