英国の欧州連合(EU)離脱期限が近づいているが、金融市場はテリーザ・メイ首相が議会で歴史的大敗を喫しても安穏と構えているようだ。一方、ブックメーカー(賭け屋)の市場は、EU離脱(ブレグジット)を巡る光景が大きく変化したことをより鮮明に反映しているかもしれない。英議会は15日、メイ首相が提出した離脱協定案を大差で否決。現職政権がこれほど圧倒的多数の反対票を突きつけられたのは、少なくとも20世紀初頭以来だ。野党の労働党は間髪おかずに内閣不信任決議案を提出した。政局が大揺れするのをよそに、投資家の間にはむしろ、否決を受けてブレグジットが経済秩序を乱す確率が低下したとの安心感が広がった。ポンドは採決後に対ドルで約1%急伸したが、採決の数時間前には同程度下落していた。翌16日は対ドルで0.14%高と、ほぼ横ばいで推移。FTSE100種総合株価指数は0.5%安で引けた。
英EU離脱占う「賭け屋」市場、変化大きく
有料会員限定
あなたにおすすめ