日本の問題点はメディアと官僚の距離

 津田:日本の現状についてはどうでしょう。インターネットでは、政府や自民党は、広告会社などを通じて世論工作をしようとしているという指摘もあります。でも実際、そんな大それたことは為されていないと僕は思うんです。

 佐藤:同感です。それよりも、官僚は、記者とのやり取りのなかで直接情報を工作しています。

 津田:そうか。記者クラブあるいはメディア全体にそもそも、「情報がゆがめられる」という土壌があるんでしょうね。

 佐藤:官僚は、記者クラブにいる記者たちを、与党側と野党側に分けます。そして、与党側には積極的に情報を与え、野党側は日干しにすると。その一方で、報償費などをエサにして、与党側に引きずり込もうとするんです。

 津田:なるほどね。つまり、ネットを巡る政治的な情報工作は当然憂慮すべき存在と考えていますが、それ以前に、まずマスメディアから発信される“世論”自体が、記者クラブの取材時点でねじ曲がっているわけですね。

 佐藤:それが日本の一つの“文化”なわけです。

※後編「佐藤優『翁長さん最大の功績は、日本を見なくなったこと』 <佐藤優×津田大介対談>」につづく

AERA dot.より転載