視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。
縄文人はどうやって寒い冬を乗り切ったのか
軽井沢に引っ越して今年でもう8年になる。
住み始めて知ったのだが、軽井沢のある長野県には縄文遺跡が多い。
例えば、家から車で20分ほどの隣町の御代田(みよた)町には「浅間縄文ミュージアム」があり、同町周辺から出土した縄文土器などが多数展示されている。
つまり、5000年前には、どうやら私が今いるこの近辺に、縄文人が住んでいたらしいのだ。
しかし軽井沢の冬は寒い。最低気温がマイナス10度を下回る日もある。今と気候が変わらないとするならば、縄文人たちは、どうやってこの寒さを乗り切っていたのだろうか。
現代ならば、寒さ対策として、家の断熱と暖房が欠かせない。
実際、わが家の壁や天井には、分厚い断熱材が埋め込まれている。したがって、しっかり暖房すれば、熱が外に逃げない。
暖房については、床暖房や灯油のファンヒーターも使用しているのだが、私のお気に入りはまきストーブだ。
まきストーブは、ガラス製の扉のついた鋳鉄の箱の中でまきを燃し、その熱で部屋を暖める。家の中で火を燃やしても安全だし、煙突で屋外に排出されるので煙を吸い込まずにすむ。
冬にわが家を訪れる人たちにもまきストーブは大人気だ。気がつくと、まきストーブの周りにみんな集まってきて、まきが燃えるゆらゆらとした炎を眺めながら談笑を始める。
現代のこんな冬の楽しみ方を知ったら、縄文人たちはどう思うだろうか。