ハーバード大学在学中の4年間で、日本に関連する数多くの授業を履修したパトリック・サングイネティさん。文学、宗教学、文化人類学など、その履修授業は多岐にわたる。彼は日本から何を学んだのか。話題の新刊「ハーバード日本史教室」に掲載されたインタビューの全文をお届けする。(2017年4月24日 ハーバード大学にてインタビュー)
※本インタビュー記事は、パトリック・サングイネティ氏個人の意見を反映したものであり、ハーバード・カレッジ及びハーバード大学の見解を示すものではありません。
佐藤 アメリカ人のサングイネティさんは、ハーバード大学に入学する前、日本についてはどの程度の知識がありましたか。
1995年ペルー生まれ。米バージニア州で育つ。2013年ハーバード大学入学。専攻は西洋古代史。2017年同大学卒業。同年、英ケンブリッジ大学大学院入学。
サングイネティ 私たちの世代にとって、日本と聞いてまず思い浮かぶのがアニメと日本食です。子どもの頃、「ポケットモンスター」、「るろうに剣心」、「NARUTO」、「ドラゴンボールZ」などを観て育ちましたし、日本食も人気でした。日本史については、高校の歴史の授業で、幕末から明治維新、第二次世界大戦について少し習った程度です。
佐藤 ハーバード大学では何を専攻していますか。
サングイネティ:古典、古代ローマ史、ラテン語、東アジア地域の宗教を専門に研究しています。特に日本の宗教には興味を持っていて、それに関わる授業を幅広く履修しました。
佐藤 具体的にはどのような授業を履修しましたか。
サングイネティ 最初に日本語の授業をとって、ある程度日本語のスキルを身につけてから、各分野の授業をとりました。履修したのは「東アジアの宗教:伝統と変遷」(ジェームス・ロブソン教授)、「江戸・明治時代の宗教と社会」「日本のアニメ、漫画、映画と宗教」(ヘレン・ハーダカー教授)、「仏教と日本文化」(阿部龍一教授)、「東京」(テオドル・ベスター教授)、「源氏物語:言葉とビジュアル」(メリッサ・マコーミック教授)です。どの授業も本当に素晴らしかったです。