イノベーションのための専門組織を設ける日本企業が増えている。多くの場合、新組織は事業開発や経営企画のマネジャーを中心に、研究開発や各事業部から人を集めてつくられることが多いようだ。
しかし、メンバーはすぐに戸惑いと不安に直面する。今までなら計画を基に目標を持って仕事に取り組めたが、新事業開発は事業アイデアを考えることから始まる。新事業開発の計画など用意されていないからだ。それに、これまでのように、仕事の「枠」があるわけではなく、先は見えない。議論ばかりで、イノベーション活動のきっかけさえつかめず、時間だけが過ぎていくケースは多い。
そんな落とし穴にはまらないためにはどうすればいいか。米ハーバード・ビジネス・スクール教授で、イノベーション研究の第一人者であるクレイトン・クリステンセン氏らが、事業創造に成功した創業者を分析して導き出した「イノベーションを生む5つの力」を参考にしてみよう。