金融庁は透明性を強調

 実は、12月中旬に金融庁がコインチェックに認可を出そうとした際、政権与党である自民党の代議士が「財務大臣室に来て抗議した」とある金融庁関係者は明かす。

 関係者の話を総合すると、争点は大きく二つ。認可を出すタイミングと審査の公平性だ。

 まず、タイミングについて。金融庁は自民党に対し「年内に交換業者の登録はないと説明していた」(仮想通貨交換業者の首脳)。だが金融庁は、「年内に登録が困難なのは、新規に登録の申請をしてきた業者」という認識だった。

 金融庁からすれば、すでに登録一歩手前の「みなし業者」はこの限りではなく、みなし業者であるコインチェックへの年内の認可は問題なしと考えていた。ここに、齟齬が生じていたわけだ。

 次に、公平性の担保については、「問題を起こしたコインチェックを優先して審査しているのではないか」との懸念を代議士から示されたことで、「公平性を欠くとみられるのは避けたい」(金融庁幹部)と考えるに至ったもようだ。

 このことは、コインチェックへの認可を出した当日に金融庁が公表した「登録審査における透明性の向上に向けた取組みについて」からも透けて見える。

 その内容は、審査のプロセスと約6ヵ月間の所要時間を可視化したもので、金融庁は「質問票を送ったのに返事がない」など審査待ちの業者から苦情を受けたためだと説明する。だが、代議士からの抗議に応えるために、1ヵ月間を費やしてこの文書を作成、発表したと考えるのが自然だろう。

 これが、認可が1月にずれ込んだ舞台裏だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)