「無理に学校に行かなくていいよ」は、不登校児を救うのか?精神科医が語る本当の支援とは写真はイメージです Photo:PIXTA

「嫌なら無理に学校へ行かなくていい」。寄り添う姿勢が美徳とされる時代に、そんな親が増えている。しかし、その教育方針がすべての子を救うとは限らない。こだわりが強すぎて日常生活に支障をきたす強迫症の子どもにとっては、むしろ逆効果だ。強迫症を40年診てきた精神科医が、不登校児に必要な支援のあり方を語る。※本稿は、精神科医の原井宏明、精神保険福祉士の松浦文香『強迫症とうまくつきあう』(さくら舎)の一部を抜粋・編集したものです。

小手先だけの支援では
強迫症の子どもに看破される

 私が強迫症(編集部注/強い不安やこだわりによって、日常生活に支障をきたす病)のお子さんを診るときに気をつけているのは、大人と同じように扱うことです。

 強迫症の場合、子どもであっても嘘や矛盾を見抜く能力に長けています。小学校高学年にもなると、大人が適当な言い訳をしたり、楽をしようとしたりすることに気づき、そうする大人を軽蔑するようになります。これは精神科医相手でも同じです。子どもだましは通じません。

 まず診察に来てもらうためには、信頼関係を築く必要があります。そして、治療方針を決めるときには最初に本人の意見を聞き、本人が主体的に取り組めるようにしていきます。

 治療では毎日の記録(セルフモニタリング)をつけてもらうのですが、子どもは大人以上に真面目に取り組みます。子どもが大人と違うのは、結果に対して素直に反応してくれることです。

 学校に戻ることも簡単です。会社員には必要なリハビリ出勤(登校)も不要です。少しでも改善すれば次からはスムーズです。