法人営業では、相手の会社の様子を知ることが重要である。それはどんなことをきっかけとすべきなのであろうか。ほんのささいなことでもヒントになるのである。その具体例を解説しよう。(AKTANA International LLC プリンシパルコンサルタント 高橋洋明)
B to Bの営業で
「差」がつくのは…
前回、『法人営業が絶対に外してはいけない顧客攻略の「基本中の基本」』でB to Bの営業はB to Cの営業と異なり、結果を出すまでのプロセスやスケジュールが全く違うことをお伝えした。
しかしB to Bの営業の場面で、前回の内容をそのまま実行しても結果が出るかどうかは、あなた次第だ。あなたが顧客の社内の状況を精緻に把握していれば結果は出やすいだろう。そうでなければ、あなたはやはり苦戦を強いられる可能性が高い。
そのような差は、どこから生まれるのだろうか?
今回は、そこを一緒に見ていこう。
B to Bの営業の、ある場面を想定してみよう。
あなたはこれから、顧客からの要請によって顧客に面会する。初めて訪問する相手だ。
だが、相手からアポイントメントはいただけたものの、こちら側が提供している財・サービスについては具体的な話を何ひとつしていない。相手から「詳しい話は、当日お会いした時に聞かせてほしい」と言われ、説明できなかったからだ。
おそらく相手は、こちら側についてはほとんど何も知らず、「何か、うちに役立つことをしてくれるだろうから、一度話を聞いてみようかな?」くらいの軽いノリであることが予想される。