法人向け営業は個人向けの営業とは商談成立までのプロセスが異なる法人向け営業は個人向けの営業とは商談成立までのプロセスが異なる Photo:PIXTA

法人営業は保険や住宅、自動車などの個人向けの営業とは大きく異なる点がある。当然、顧客に対するアプローチも異なるはずだが、理解せずにきちんと社員教育できていない企業も多い。今回は法人営業の担当者が絶対に外してはいけない「基本中の基本」について解説する。(AKTANA International LLC プリンシパルコンサルタント 高橋洋明)

B to Bの営業が
B to Cの営業と大きく違う点

 前回の『優秀な営業マンのセールストークは「通販番組の刺さる言葉」と同じだ』では、特にB to Cでの営業が結果を出しやすくするために行っている徹底した振り返りと、そこから導き出された顧客の購買意欲を極限まで高めるセールストークの磨き方を見てきた。

 では、B to Bの営業ではどうだろうか?今回は、ここを深く見ていこう。

 営業であれば基本的に、B to CでもB to Bでも商談後の振り返りが極めて重要なのはいうまでもない。

 商談が終わるごとに結果が出たのか?出なかったのか?を分析しなければ、次の商談の成功確率を高めるための改善点が見つからない。商談の成功確率が高まらなければ結果が出ないままの凡庸な営業でキャリアを終えてしまうかもしれない。勤務先の経営状況が危機的な状況であれば、凡庸な営業はキャリアチェンジを迫られる可能性すらある。

 ここまではB to CとB to Bの営業は同様なのだが、商談の成約に至るプロセスはまるで違う。

 B to Bの営業の場合、商談の成約に至るプロセスにおいて、B to Cよりも押さえておかなければならないポイントがたくさんある。これは、顧客が「個人」か「企業(法人)」かの違いによるものだ。

 B to Cは基本的に、商品を「欲しい人」と「買う人」が同一人物だ。商品の購入者が購入を決める権限やお金を持っているため、本人が「欲しい」と思えば買ってもらえる。