すでに中国社会のインフラとなったウェイボー。その影響力は、中国市場に参入したい企業にとって、アカウントを持たなければ市場に存在していないにも等しいといえるほどだ。今回は、ウェイボーをカスタマーサービスの窓口として活用する資生堂、50万人のフォロワーを持つ中国最大のオンライン旅行社とのコラボで商品開発をするJALなど、先行する日本企業がどのような取り組みをしているのか、その活用法を学ぶ。
どうすればビジネスにウェイボーを活用できるのか?
先行企業が行っているフォロワー獲得の取り組み
「ウェイボーが中国社会のインフラになった」と前回書いた。それは、中国の消費市場に参入したいと望む企業にとって、もしウェイボーのアカウントを持たなければ、市場に存在していないに等しいことを意味している。
では、日本企業はどうすればビジネスにウェイボーを活用できるのか。今回もウェイボー研究所の高橋学さんにご指南いただく。
――最近、日本の企業や自治体もウェイボーを活用し始めたといわれますが、どんな取り組みが見られるのでしょうか。
「ウェイボー研究所が調べた日本企業のフォロワー数ランキングは以下のとおりです。
■ウェイボー日本企業フォロワー数ランキング(2012年5月現在)
1位 資生堂 23万人
2位 ホットペッパー 9.5万人
3位 ピーチ・ジョン 9.5万人
4位 Sea Mans(中国EC支援会社) 9万人
5位 ユニクロ 7万人
6位 キヤノン 7万人
7位 三菱自動車 5.5万人
8位 JAL 5万人
9位 ANA 4万人
10位 カルピス 4万人
(ウェイボー研究所調べ)
※前々回、マツダのフォロワー数が中国自動車業界でトップと書いていますが、日本の自動車メーカーは現地の合弁会社ごとに多数のアカウントを持っています(たとえば、広汽トヨタ31万人、一汽マツダ21万人、日産中国12万人、東風日産11万人、東風ホンダ11万人、三菱自動車7万人、長安マツダ7万人、広汽ホンダ6万人、スバル3万人、長安スズキ2万人、一汽トヨタ2万人)。ここでは、合弁企業のどこまでをフォロワー数としてカウントすべきか判断が難しいため、ランキングからはずしてあります。
――トップは資生堂。以下、フリーペーパーの『ホットペッパー』、ランジェリーのピーチジョンなど、若い女性をマーケットにした企業が上位につけていますね。
「資生堂は、ウェイボーをカスタマーサービスの窓口として活用し、フォロワー一人ひとりの質問に丁寧に答えることで定評があります。『ホットペッパー』は上海のOLをターゲットに日本食を中心としたクーポン情報を提供しています。
ピーチジョンはAKB48とのコラボでPRを展開し、ユニクロは『ラッキーユニクロライン』というウェブ上の仮想店舗の行列に並ぶとクーポンやプレゼントが当たるというプロモーションで、合計240万人の行列を実現。各企業ともフォロワー集めのためのさまざまな取り組みを始めています」