ウェイボー運営における5つのポイント
①自社商品にまつわるテーマを中国マーケット向きに絞り込み、一貫した内容を配信するよう努めることです。自社に関することなら何でもあれこれと配信してはフォロワーの関心がブレてしまいます。ウェイボーの目的は自社サイトに誘導し、ECにつなげていくことです。
②ウェイボーは中国語で書かなければという思い込みがあるかもしれませんが、日本の企業である以上、日本語があっても問題はありません。ただし、必ず中国語と併記すべきです。そして、写真は必ず入れてください。動画の効果も大きいので入れるべきです。
③ウェイボー上の関連のあるグループ(微群)に参加して発言すること。そこには共通の関心事を持つ人たちが集まっているので、お互いフォローしあうことで情報の伝播力は高まります。
④中国でも都市部ではスマートフォンが普及しています。特別の場所やイベントなどに参加しているときなど、実況中継のように連続投稿することで高い反応を得られることができます。
⑤プレゼントをうまく活用することはフォロワー数を稼ぐうえで有効な手段です。でも、ただプレゼントするのではなく、打ち出す時節やタイミングも含めて中国の消費者の感度にマッチした仕かけをもっと工夫する必要があるように思います」。
高橋学さんによると、ほかにもウェイボーのアカウント名のネーミングが大事であること(大市場である中国では記憶に残るユニークな名付けが重要)。競合相手となる企業のウェイボーの研究を欠かさないこと。定期的に情報を発信し、フォロワーからもらったコメントにはこまめに応えること。商品や企業メッセージだけでなく、運営担当者とフォロワーのパーソナルなコミュニケーションを重視することなどが、ウェイボー運営上のテクニックだと指摘する。
日本ではツイッターで宣伝ばかりする人は嫌われるものだが、中国人はそれほど気にしないようだ。ただし、ソーシャルメディアである以上、いったんフォロワーになっても、パブリックな宣伝文句ばかりでは飽きられてしまう。スターバックスにみられるように、新しい消費に目覚めた中国人のライフスタイルに心地よい提案をすることが求められている。
とはいえ、企業でありながら、個人メディアのようなパーソナルな発信をしていくというのは、そんなにたやすいことではない。中国語の習熟度の問題以上に、中国社会の実情の把握という高いハードルがあるからだ。いきなり大がかりに始める前に、試しに社内で小さなプロジェクトとして立ち上げ、若い日本人社員と中国人社員の組み合わせで取り組ませてみてはどうだろう。