過去の消費税率引き上げ前には「増税前に契約を」といったセールス攻勢のもと「駆け込み需要」が集中した。通常よりも契約が急増すると、その反動でしばらく住宅市場が冷え込むのは当たり前。

 住宅のような高額消費に対しては、増税後の冷え込みを防ぐために、政府は住宅ローン減税の拡充や、すまい給付金等の増税対策を実施し、需要の平準化対策を行うのである。

最大限の減税を受けられる人は
ほとんどいない

 では、住宅ローン減税の詳細を見てみよう。

 現行の8%で取得した住宅の場合、控除率は年末残高(一般住宅は上限4000万円、高性能の認定住宅は同5000万円)に対し1%で、期間は10年間。つまり、年最大40万円、認定住宅は50万円の減税を10年間受けることができる。

 まず、所得税から減税額を差し引きし、引ききれなかった分は住民税が最大13万6500円安くなる。

 税金が安くなるのは、誰にとってもうれしいこと。ただし、限度額目一杯の減税を受けられる人は限られていることに注意したい。

 たとえば、長期優良住宅などの認定住宅を購入すると、10年間で最大500万円の減税額だが、フルに受けることができるのは「10年間、毎年末のローン残高が5000万円以上あり、毎年50万円以上の税金を納めている人」だ。

 当初7000万円以上借りた人なら10年後も5000万円残っているかもしれないが、そもそもそんなにたくさん借りている人はめったにいないし、それだけの税金を納めている人もいない。最大額の減税を受けられるとは思わないのが肝心だ。

 消費税10%で取得する住宅に対する減税策は、控除率は変わらず1%、期間を10年から3年延長し、13年間。11年目以降は建物価格の2%相当を控除し、増税分をカバーするというもの(実際には建物価格の2%÷3の額か、ローン残高の1%のいずれか少ないほう)。

©深田晶恵 ダイヤモンド社 2019 禁無断転載 拡大画像表示