今年1月上旬に開催された北米最大のコンシューマーエレクトロニクスの見本市「CES2019」を取材すると、次世代の移動サービスをコンセプトした箱型EVによるデモが多かった。これは昨年のCESでトヨタが提案した箱型EVのインパクトがあまりにも強かったためであるが、同時にイメージを固定化してしまったようだ。(取材・撮影・文/モータージャーナリスト 鈴木ケンイチ)
自動車業界にとっても
大イベントとなったCES
新年早々となる1月6日より11日にかけてアメリカのラスべガスで「CES2019」が開催された。出展社数4000を超える北米最大のコンシューマーエレクトロニクスの見本市が「CES2019」だ。
もともとはテレビやスマートフォンといった家電部門が主流であったが、最近では自動車関連の出展も増加し、今や同時期に開催されるデトロイト・モーターショーと並ぶ自動車業界の大きなイベントとなった。
ちなみに、来年(2020年)からデトロイト・モーターショーの開催は6月に変更されるということを考えれば、勢いや注目度という点では、すでに「CES2019」が上回っていると言ってもいいだろう。
そんな本年の「CES2019」の特徴は、「MaaS向けの箱型EV」コンセプトの提案が多かったことだ。MaaSとは、「Mobility-as-a-Service」の略で、「移動をサービスとする」という意味。
クルマという商品ではなく、移動そのものを商品と考えるものだ。ライドシェアや電車やバスのシームレスな利用など、柔軟で幅広い次世代に向けたアイデアが提案されている。そうしたMaaSに利用するための、ロボットのように完全自動で走行可能な箱型のEVというものが、「CES2019」では数多く出展されていたのだ。