トヨタ・リサーチ・インスティテュートのギル・プラットCEO
トヨタ・リサーチ・インスティテュートのギル・プラットCEO Photo by Akira Yamamoto

先端技術が一堂に会する世界最大の家電・IT見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」が、現地時間8~11日に米国ラスベガスで開催された。次世代通信規格「5G」や8Kテレビが脚光を浴びた一方で、主役と目されたはずの自動車領域の影が薄かった。その背景には、新たな変革が訪れていることがあった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本輝)

 今年は“息切れ”か──。8日に開幕した「CES」での自動車メーカーの発表内容を眺めたある自動車関係者がそうつぶやいた。

 モビリティがCESでの花形テーマになって久しい。CESは、もともとその名の通り、家電メーカーが中心の見本市だった。だが近年、自動車の中でも「CASE(自動運転やシェアリングといった新技術の総称)」と呼ばれる新しい技術の発展が著しい。自動車メーカーが周辺技術の領域を広げてCESへの出展を重ねることで、一気に主役の座に躍り出た。

 実際に、この数年は自動車メーカーの大型発表が相次いだ。

 昨年は、トヨタ自動車のプレスカンファレンスに豊田章男社長が登壇し、「トヨタを、車社会を超え、人々のさまざまな移動を助けるモビリティカンパニーへと変革する」と高らかに宣言。米アマゾン・ドット・コム、中国ライドシェア最大手の滴滴出行などとの提携と、電気自動車(EV)のコンセプトカーである「eパレット」を発表した。

 2017年には、初参加となったカルロス・ゴーン・日産自動車社長(当時)が、基調講演で「シームレス・オートノマス・モビリティ」と呼ばれる自動運転化技術と、無人運転の実証実験をディー・エヌ・エーと行うことを明言していた。