レーダー照射問題で
韓国との実務者協議を打ち切り
1月21日、韓国海軍駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制(FC)レーダーを照射した問題に関して、防衛省は韓国との実務者協議を打ち切ると発表した。これは、賢明かつ適切な判断といえるだろう。日本が客観的事実を公表するたびに韓国は反発し、「事実を歪曲(わいきょく)している」など一方的に日本を批判してきた。同国の対応はまともとは思えない。
韓国・文政権の対応姿勢を見ていると、何をしても状況が改善することは期待しづらい。これ以上のエネルギーを使うことは無駄だろう。まともに対処するつもりが全くない相手とは距離を取り、少し冷却期間を置くことが賢明だ。
韓国では、文大統領への支持率下落が著しい。年初、文大統領の支持率は50%台に回復した局面を挟み、与党“共に民主党”に所属する議員の不動産投機疑惑を受けて再度、支持率は低下に転じた。
今後、韓国経済の減速も重なり、有権者の文政権批判はさらに強まるだろう。文大統領の支持率は低下基調をたどる可能性が高い。そうした状況の打開を狙って、文大統領はわが国への批判的かつ強硬な姿勢をさらに強める可能性が高い。
日本は、それを真正面から受け止める必要はなく、相手にする必要もない。それよりも、事実をきちんと報道し国際世論を味方につけ、日本に必要な取り組みを進めやすくする環境整備に注力することが重要だ。
今回は立場を
明確に示した日本
今回、防衛省が韓国海軍駆逐艦による海自哨戒機へのFCレーダー照射問題で、実務者協議の打ち切りを表明したことは、日本の韓国に対する立場を明確に示した。それは、日本が求めたことは真実の究明であり、適切な返答がないのであれば協議を重ねても事実を解明することは困難ということだ。これは非常に冷静な対応だといえる。