『週刊ダイヤモンド』2月2日号の特集は「サブスク革命 定額課金の衝撃」。ウェブサービスやメディアなどから急速に広がったサブスクリプションサービスの流れは、今ではリアルの生活をも変え始めている。一風変わったサブスクサービスを展開する異色の企業を紹介しよう。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)
月額1620円で数倍の価値のコスメを宅配
アイスタイル・渋谷雄史Associate Vice President
――御社で取り組んでいるサブスク事業「ブルームボックス」の概要は。
当社のビューティーアドバイザーが、ユーザー個々人のために選んだビューティープロダクト4~5商品を専用の箱に詰めて毎月届ける定額サービスです。インターネットで申し込みの際に、ユーザーのビューティープロファイルを入力してもらい、数十パターンある中で、その人の悩みや要望に合った商品を選んでいます。これまでに累計500ブランド以上を取り扱っており、話題のブランドや新しいブランドをいち早く紹介しています。
――利用料は。
月額1620円(税込)です。送っている商品は、市販されていないサンプルもあるので、正確な定価は出せませんが、1620円の数倍の価値ある商品を詰めています。
なぜそんなことができるかというと、すべての商品はメーカーなどから無料で仕入れているサンプル商品だからです。
――なぜメーカーは無料で商品を提供するのですか。
メーカーが当社にサンプル商品を供給することのメリットは3つあります。
一つ目は商品のサンプリングです。通常、メーカーが試供品を消費者に配布するにはコストがかかりますが、ブルームボックスではメーカーからサンプリングの費用はいただかず、そのかわりにサンプル商品を無料で提供してもらっています。
メーカーにとってもメリットは、サンプリングのコストがかからないだけではありません。一般的なサンプリングだと、不特定多数の人に商品を配布することになりますが、ブルームボックスであれば、先ほどお話した通り、ユーザーのプロファイルに沿って、メーカーが最も使ってもらいたいユーザーに届けることができます。
二つ目は、ユーザーにお届けする箱の中に、商品のチラシなどを入れることで、メーカー商品のPRができるということです。実際に箱の中の商品を使ってみて、気に入ってもらえれば、購入につながる可能性もあります。