バーシン 個人については、変化し続ける社会に適応した行動をとれるかがポイントです。全てのスキルや知識、そして成功体験は間違いなく陳腐化していきます。そのような状況を正しく理解して、自身をアップデートするために行動できるかによって、未来は変わっていきます。自らに対して投資を主体的に行えるのか。会社の働く環境も、事業の内容も、学び直す機会も、自身への投資となります。

ビジネスパーソンとしての「再定義」を
何度もしなくてはいけない時代に

 何度も何度も、ビジネスパーソンとしての自分を再定義しなくてはならないのが、多くの人が認めなくてはいけない事実です。会社で働く時間をアウトプットとして、働く時間以外を自分の投資の時間として定めることは、大変重要な考えになってきます。社内外の勉強会に参加する、読書する、フィットネスジムで身体を鍛える、家族やパートナーと時間を過ごしながら心を整える――。これら全てが自身の時間の投資となります。

 会社はこの従業員の投資の時間を奪ってはいけない、と勝手に感じています。所定の時間内で、仕事をなるべく効率的に終え、仕事以外の時間は個人の投資の時間として、しっかり確保できるようにすること。これも、持続可能な会社経営の考えにもなってくると予想しています。

 一緒に働く仲間たちが、社外の選択肢と可能性を理解した上で、今の会社の価値観や環境、また働くことによって得られる自身の価値に意義を見出し、一緒に働き続けてくれることが、自分にとっての理想です。またそのことは、企業経営にとっても良いプレッシャーとなります。

バーシン 日本は、労働市場の適度な流動化が起こっていないため、まだ市場原理が適切に働いていないですが、南さんが理想とするような企業と従業員の関係は、必ずやってきます。未来への先行投資ができる日本企業にとっては、この「歪み」は大きなチャンスでもあります。

 最後に、人事部門は非常にイノベーティブかつクリエイティブな仕事です。人事部門で働く皆さんは、ぜひシンプルなデータの可視化から始め、業務の効率化を進めてみてください。また最新のテクノロジーを怖がらず、ぜひ主体的に活用してみてください。