過去にもいくつも明かされた
「役所内盗聴」の深刻

 今回、泉氏の「暴言」を録音したのは叱責された職員ではない。何者かがこっそりとICレコーダーをまわす、いわゆる「秘密録音」したものか、仕掛けられた盗聴器などが拾った音声だ。これはつまり、明石市では、市長室が日常的に盗聴されていたということでもあるのだ。

 明石市のケースひとつだけで「横行」とはいくら何でも暴論だ、と思うかもしれないが、「盗聴」は全国の役所で行われており、その氷山の一角がちょこちょこと表沙汰になっている。

 例えば、2017年10月、テレビ朝日の「スーパーJチャンネル」が盗聴発見業者と盗聴電波を探していたところ、東京の練馬区役所付近から漏れ伝わってくる電波を突き止めた。役所内にいる職員たちの生々しい会話が聞き取れたことから、所内に何者かが盗聴機を仕掛けたのは明らかだった。

 2016年12月には、茨城の水戸市議会臨時庁舎の議員控室に盗聴器が仕掛けられていたことがわかった。市役所に匿名で通報があり、盗撮発見業者の調査で判明したという。

 もっと過去を遡れば、大阪府教育委員会高等学校課、愛知県の警察署、小平市役所などなど、盗聴器が見つかった公的機関は枚挙にいとまがない。

 2014年5月には兵庫の西宮市が、市長の要請で、本庁舎の市長執務室や会議室などに盗聴器が仕掛けられていないか調査をしている。市民からは「疑心暗鬼になりすぎでは」という声もあがったが、裏を返せば、疑心暗鬼になってしまうほど、「役所内盗聴」の不安があったということでもある。

 という話を聞くと、「そんなことは役所だけではない、民間でもあるだろ」と反論される公務員の方も多いことだろう。