米国では80年代から
ルーティン業務の雇用が減少

 前回も紹介した米国MITのデイビッド・オーター(David H. Autor、1967年生まれ)教授の論文から、まずは米国でのルーティン業務の推移を見てみよう。

 上の図表2からわかることは、知識や経験を必要とする「ルーティン業務」(Routine Cognitive)は、米国では少なくとも1960年代は増えていた。従って、その業務を担う人間の数は増えていたのだ。

 だが、1970年代になると増加スピードは減少し、1980年代半ばになると米国内のルーティン業務自体が減少に転じ、その後、減少のスピードはどんどん加速している。

 その一方で、人間を機械に代替する情報化投資は、1970年代から増え始め、1980年代半以降、一層加速していった。

 では、ルーティン業務を担う労働力として、1960年代には雇用を増やしていた米国が、急に人間を機械に代替するほど情報化投資に積極的になっていった「境界線」はどこにあったのだろうか。