米ロサンゼルスに先日出張した際、移動に何度か配車サービスのUber(ウーバー)を利用した。タクシーに比べて大幅に安いからだ。
例えば、昼ごろに22.9キロメートル乗ったときは31.62ドルだった。1ドル=109円換算で約3450円だ。現地タクシーなら58ドルほど(15%のチップ込み)。距離は東京駅から武蔵境駅に相当し、東京のタクシーなら8000円程度だろう。
その翌日の昼すぎにUberで26.2キロメートル乗った。東京駅から東小金井駅ぐらいの距離だ。東京のタクシーなら9200円前後。しかし、このときのUberは21.48ドル(約2340円)だった。先の乗車より距離が長いのに安いのは、需要の増減で価格が変わるダイナミックプライシングのためだ。
こういった状況なので、現地のショッピング街では客待ちのタクシーが長蛇の列をつくっていた。利用客は少なく、運転手たちは車から降りて雑談をしていた。同様の風景は最近、米国の空港やターミナル駅でも日常的に見られる。
Uberは米国労働省が集計する消費者物価指数の対象にはなっていないと思われる。しかし、そういった新手のサービスは既存のサービスの価格上昇を妨げる。これに限らず、スマートフォンを経由する新サービスが旧来のサービス価格の上昇ペースを抑えている事例は他にもあるだろう。