NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」など、テレビで話題沸騰の「伝説の家政婦」志麻さん。
あの志麻さんが、初めて書きおろした料理エッセイレシピ本、『厨房から台所へ――志麻さんの思い出レシピ31』が発売たちまち重版が決まり、話題沸騰中だという。
レシピの背景にある波乱万丈のエピソードとともに、調理のコツも凝縮。ふだん家で食べたことのない「フランスのママン直伝のキッシュ」「梨リングフライ」「龍馬チョコレート」は絶品。さらに、「母の手づくり餃子」「おばあちゃんのお煮しめ」「けんちょう(山口の郷土料理)」のなつかしの味から、「ゆで鶏のシュープレームソース」「豚肉のソテーシャルキュティエールソース」「子羊のナヴァラン」「ローストチキン」などのフランス家庭料理、「フォンダンショコラ」「カトリーヌ先生のそば粉のクレープ」などのデザート、1歳の息子お気に入りの「鶏手羽元のポトフ」まで、実に多彩なレシピがあるという。
「3時間で15品」など、これまでのイメージとはまったく違う志麻さんが、あなたの前に突如、出現するかもしれない。
今回は、志麻さんに、「結婚式で思い出深いレシピ」を紹介してもらおう。(撮影・三木麻奈、構成・寺田庸二)。
30代半ばの私と
15歳下のフランス人
フランス料理に没頭していた20代は、
まさか自分が結婚するなんて思ってもいませんでした。
早朝から夜遅くまで働き、
休みの日もフランスについて知りたいことだらけで、
気がつくと、まわりにはフランス人の友達や知り合いばかりになっていました。
そんな中、夫となるフランス人のロマンと出会ったのは
30代半ばの頃でした。
当時ロマンは20歳、私より15歳年下でした。
そして、出会ってから1年がたち、私たちは結婚することになりました。
結婚式は友達のレストランで行いました。
私の両親と姉、たくさんの友達たちが集まってくれ、
フランスの家族は、当日、スカイプで参加してくれました。
調理師学校時代からの友人でもあるそのお店のシェフは、
たくさんの料理をつくってくれましたが、
緊張とあわただしさで何も食べることができませんでした。