EU市場でも“なんらかの電動
アシストを持つクルマ”が主流に?
いま、EU(欧州連合)市場では“マイクロ”とか“マイルド”と呼ばれるHEV(ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)が増えつつある。電動モーターを使い、その分エンジンの負担を減らすシステムである。背景は、(1)厳しさを増すEUのCO2(二酸化炭素)排出規制、(2)新しい排出ガス燃費測定モードとして採用されたWLTC(ワールドハーモナイズド・ライトビークル・テスト・サイクル)、(3)実路上でさまざまな走行状態で行う初の屋外試験、RDE(リアル・ドライビング・エミッション)の実施である。HEV先進国は日本だが、EU市場でも“なんらかの電動アシストを持つクルマ”が主流になりそうなムードが漂っている。
現在、EU内では独・コンチネンタルなどの大手サプライヤー(部品供給業者)と、オーストリアのAVLのようなエンジニアリング会社がHEVの提案を幅広く行っている。これらは“P0”から“P4”までの共通の呼称がある。最もシンプルなP0は、ベルト駆動のBSG(ベルト・スターター・ジェネレーター)またはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と呼ぶ小型モーターをエンジンの前側、トランスミッションとは反対側に持ち、ベルトなどを介してモーターを接続するシステムを指す。スズキのエネチャージはP0システムである。