けれども、今はそうではない。

 デジタル技術の進歩で、情報発信の表現方法は、SNSや動画をはじめ選択肢がずいぶんと増えた。それに伴い仕事の種類も増えた。ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、オンラインのマーケターなど、デスクワークを中心とする職種全般が増えている。お客様と直接向き合うというよりは、ツールと向き合う仕事が世の中に増えているのが現状だ。

 今は、自動車でさえソフトウェア産業になりつつある。あらゆるものがデジタル化と無縁ではいられなくなる中で、リーダーシップの在り方が変わる。リーダーのタイプも様々。これはとても自然なことだし、そうあるべきだろう。

会議終了時の「かけ声」を提案し
「ノー」を突き付けられた理由

 リーダーの在り方って、もっと多様であるべきだ――。

 僕自身、もともとそう思いつつ行動はしてきた。でもあるとき、「より強く気を付けて考えなきゃいけない」と強烈に意識する瞬間があった。

 それは1年ほど前のこと。freeeには毎週「全社集会」がある。文字通り社員が一堂に会して、業績などの進捗を共有する場だ。会の最後は「じゃあ、これからもみんなでもっと頑張っていこう」といったメッセージで終わるのが基本である。

 ただ、特に「締めの何か」があるわけでもなく、「では終わります」と会が何となく終わって、メンバーが散り散りに自席に戻っていく雰囲気がいつも気になっていた。尻切れ感の悪さが気持ち悪かった。会の主旨からしても、もう少し盛り上がって終わったほうがいいと、前々から思っていたのだ。 

 そこで僕がまず提案したのが、締めの掛け声だった。アメフト映画ではよく、コーチが選手にハッパをかけて、チームみんなでお決まりの言葉を叫んだりする。「ワン、ツー、スリー、タイタンズ!」といったようにだ。僕がアメフト映画好きということもあるが、ああいうのをやろうと最初に提案した。