「野田市女児虐待死事件」が浮き彫りにした行政の「欠落」写真はイメージです Photo:PIXTA

「SOS」を
見抜けなかった過失

 千葉県野田市で小学校4年生の女児が父親の虐待で死亡した事件は、自分の父親に繰り返し虐待された痛ましい事件だ。

 加えて、腹立たしいのは、児童相談所が女児を一時保護していながら、保護を解除して家に帰したり、何度も「SOS」が発せられていたにもかかわらず、学校などがそれを見落としたりして、対応を誤ったことだ。

 素人目に見ても、なぜこういうことになってしまったのか、不思議で仕方ない。

 とりわけ驚いたのは、女児が「父親からいじめられている」ことを伝えた小学校のアンケートのコピーを、野田市教育委員会が父親に渡していたことだ。

 市教委では、父親から強く迫られて、担当者が渡してしまったと説明している。

 父親が威圧的だったとはいえ、それにしても情けない話だ。