事件の経緯を考えても、学校や教育委員会などは、通告情報は一切明かすべきではない。保護者が威圧的な場合には、警察などの複数の機関で共同対処することくらいは直ちに行うべきだった。

縦割りで情報共有できず
経験のある専門職員が不足

 その上で、改めて考えさせられるは、(1)DV(Domestic Violence)と児童虐待の認識の違いと、(2)児童相談所職員の経験不足の問題である。

 DVは、もともとの英語では、夫婦間暴力の意味だったので、児童虐待をDVに含めるのは間違いとされている。

 言葉の問題としてはそれで正しいのだろうが、実態として、DVがあると、児童虐待も行われている例が多いのだから、児童虐待をDVと切り離して考えるのは、実務上、きわめてまずいことだ。

 今回の事件を防げなかった野田市役所では、児童虐待の窓口は児童家庭課、DVの窓口は人権・男女共同参画推進課と分かれている。

 野田市は、DVはあったと認識していたが、縦割り組織のため情報が共有できずに、児童虐待まで予想できなかったようだ。