「もうマンションを買ってもいいかな。でも損はしたくないし、ローンも怖い」。
そんなあなたが買うべきは、「60m²前後」×「駅徒歩7分以内」×「2001年以降完成」のマンションしかありません。

70~80m²に比べ、60m²は価格が手ごろで、売ることや貸すことになったときでも、“守備範囲が広い”ので「売りやすく、貸しやすい」のです。

入居を希望する人たちは「夫婦2人」から「子ども1人の夫婦」に加え、「夫婦と小さな子ども2人」、「シニア」、「1人暮らし」、「兄弟姉妹」、「母子または父子家庭」などと、非常に幅広いのです。自ら住む層だけではなく、「不動産投資」や「相続税対策」などの需要もあります。

本連載の書き手は、「不動産ひと筋30年! 12000人と面談し、成約件数は6000件以上」という圧倒的なキャリアを持つ後藤一仁氏。不動産仲介会社の“現役”社長です。「不動産を通じて、1人でも多くの人に幸せになってほしい」という願いが込められた『マンションを買うなら60m²にしなさい』の著者でもあります。

本連載では、「損をしない、戦略的なマンション選び」を語ってもらいます。

「暴落するマンション」と「資産価値の高いマンション」の違い

 2つの実話をご紹介します。

【実話1】78m²のマンションを買ったAさん

 2007年、Aさんは東京・世田谷区で新築マンションを購入しました。広さは78m²の3LDK。価格は5700万円です。人気沿線の人気駅で、緑多い閑静な住環境。角部屋で設備も充実しています。

 Aさんはまだ50代でしたが、子どもが独立して夫婦2人になったため、勤務先に通いやすい場所で、かつ、もう少しコンパクトな都心のマンションに住み替えたいと思うようになり、売却を決断しました。

「人気路線の人気駅だし、買ったときより高く売れるかもしれない。最悪でも、買ったときぐらいの価格で売れるだろう」

 大手不動産仲介会社に売却を依頼したにもかかわらず、なかなか買い手が見つかりません。内見者はそれなりにいて盛り上がるのですが、売却開始から1ヵ月、2ヵ月と経過し、決まらないので3ヵ月目で価格を下げました。しかしそれでも決まらず、半年が経過します。

 このマンションには1つだけ欠点がありました。駅から徒歩18分(バスで8分、バス停から徒歩3分)という立地だったのです。

 Aさんは、広さと価格、物件のグレードを重視して購入を決めたとのこと。購入当時、Aさんは車通勤だったため、「駅から近い、狭くて価格が高いマンション」よりも「駅から遠くても、広くて価格が手ごろなマンション」のほうがよいと思ったそうです。

 世田谷区内の人気沿線の人気駅。間取り、グレード、眺望、陽当たり、管理体制がよく、管理費・修繕積立金もそれほど高くない。管理会社も一流で管理人も親切でいい人。しかし駅から遠い。売主の思いとは裏腹に、多くの内見者に敬遠され、結局、購入申込が入ったのは売却開始から8ヵ月後でした。