加藤 章(日本エボナイト代表取締役社長)
加藤 章(日本エボナイト代表取締役社長) Photo by Kohei Takeda

 平成最後の紅白歌合戦を沸かせたサザンオールスターズの桑田佳祐が今年の元日、「レッツゴーボウリング」という名の新曲をリリースしたことを耳にした人は多いかもしれない。

 1月3日にはその曲名を冠し、本人も出演する特別番組がテレビ東京系で放映された。では、桑田がこのとき投げていたのが、ボウリングボールとして唯一の国産メーカーである日本エボナイト製の球だったことはご存じだろうか。

 ボウリング場に備え付けの安価な球は「ハウスボール」と呼ばれ、全て外国製だ。一方、同社が製造するのはプロやアマチュアのボウラーが自分用に持つ「マイボール」で、中でも定価が数万円以上の高価格帯のボールを取り扱っている。製造業者は国内でこそ1社だが、日本で売られるボールの多くは、ボウリング超大国でメーカー同士の競争も激しい米国からの輸入品であり、日本エボナイトの国内シェアは現在1割程度という。

 同社はアメリカンボウリングサービス(ABS)という日本の卸売業者にボールをOEM(相手先ブランドによる生産)供給しており、メーカー名は表に出にくいが、ABSブランドで「Made in Japan」と書かれたボールは全て日本エボナイト製だ。一方、米国にもエボナイトというメーカーがあり、こちらは製品に「Made in U.S.A.」と表記されている。