これでは、官庁統計への信頼回復どころか、かえって不信を強める結果になりかねない。

あまりに緊張感のない
厚生労働省側の対応

 総務省では、統計委員会に新たに点検検証部会が設置され、基幹統計のみならず一般統計調査も対象として、「問題事案の再発防止及び統計の品質向上を目指して」、2月19日から点検検証が進められている。

 しかし、毎月勤労統計の不正事案に係る特別監察委員会が、第三者委員会の体裁を整えながら、実は調査の一部が厚生労働省の職員により行われていたことが、衆議院厚生労働委員会の閉会中審査で明らかになった。

 その結果、再調査を余儀なくされ、「信頼はほとんどなくなった」と言っていい状況にある。

 なんと緊張感のないことか。

 統計法の罰則(第60条第2号)の適用について、特別監察委員会は、「『基幹統計をして真実に反するものたらしめる行為』をしたとまでは認められないものと考えられる」等と結論づけて、罰則の適用に否定的な見解を示している。

 第三者委員会として見解を示すこと自体特段問題はないが、衆議院厚生労働委員会の審議において、根本厚生労働大臣は、特別監察委員会の報告書に基づきつつも、罰則の適用について否定的な見解を示している。

 統計法の解釈権は所管府省にあり、同法については総務省である。

 所管府省ではない厚生労働省の大臣が、大臣としての見解を述べたのだとしたら、解釈権のない者が自らにとって有利となるような恣意的な解釈をしたのと同じであり、これは大いなる問題である。

 渦中の人が緊張感のかけらもないというのと同じである。しかし、残念ながらこのことを指摘する議員はいなかった。

問題がある
統計担当職員の育成

 ではなぜ、これだけ世間を騒がせ、与野党問わず厳しい姿勢を見せているというのに、このような緊張感のない対応しかできないのだろうか。