会見で英国工場での生産終了を発表した八郷社長
英国工場の閉鎖を会見で発表したホンダの八郷社長 Photo:AFP/AFLO

ホンダによる英国工場閉鎖は、「ブレグジットの影響」と言われ、英国現地では衝撃的なニュースとして伝えられた。しかし、欧州ビジネスが低迷するホンダの実情を見れば、「英国離脱」は当然であった。問題なのは、それを「ホンダの四輪事業の生産体制の進化」だと“自画自賛”するホンダ経営陣である。(ジャーナリスト 井元康一郎)

ホンダの欧州ビジネスは最悪
“英国離脱”は当然だった

「ああ、とうとうこの日がやってきたんだね」

 ホンダが2021年に英国工場を閉鎖するという一報が飛び出し、「すわ、ハードブレグジットがらみか」と世間の耳目をにわかに集めたが、筆者は正直、この程度の感想しか持たなかった。

 自分だけではない。多くの経済人もとっくに予想していたことだろう。聡い人なら、ホンダの企業風土にかんがみて、ハードブレグジット(合意なき離脱)にひっかけられる今がそのタイミングになるということまで読み切っていたに違いない。

 八郷隆弘社長は新聞報道が出た直後に記者会見を行い、その席上で「ブレグジットは関係ない」と明言した。それはそうだ。仮に今、英国政府が「ブレグジットをやめました」と言ったとしても、ホンダは工場閉鎖に踏み切ることだろう。

 すでに多くのメディアが報じているように、ホンダの欧州ビジネスは最悪の状況に陥っている。2018年のホンダのEU、英国での販売台数は13万6000台にすぎない。SUVを主体とし、ホンダより平均売価がずっと高い三菱自動車にも販売台数で負けた。シェアは1%にも満たず、ヨーロッパ大陸ではもはやカルトカー(珍品)レベルだ。

 英国スウィンドンにある工場のキャパシティは年産25万台だが、それに対して実生産台数は16万台。生産したクルマのうち55%を北米、10%を日本に輸出して実績を必死に“お化粧”しても、稼働率はなお6割強しかないのだ。