代表的な調査結果を2つ挙げてみよう。

 2015年5月、国際IT財団は、日本企業のIT投資に関する調査結果をまとめた。調査年次が、若干、古いかもしれないが、同種の調査はこれ以降、存在しないので、この調査結果(アンケートの有効回答数615社、回収率17.4%)を紹介する。

 ITを積極的に導入している業務分野を見ると、「コスト削減」「人員削減」をめざしている色合いが濃い(図表1)。

 一方で、IT対応がそれほど行われていない業務分野は、市場分析や開発など、「新しいビジネスモデル開発」「売り上げ増」を志向する分野だ。

 この傾向は、電子情報技術産業協会(JEITA)が2013年に行った「ITを活用した経営に対する日米企業の相違分析」調査の結果(図表2)とも共通する。

 この調査は、同協会が日米企業の「非IT部門」を対象にIT投資の意識調査を実施したもので、日本企業216社、米国企業194社が回答した。(ほかにヒアリング調査で日本企業5社、米国企業2社が回答)

 これを見ても、米国企業が、ITによる製品・サービスの開発など、「攻めのIT投資」と呼ばれる方向を志向しているのに対して、日本企業は、業務効率化・コスト削減などの「守りのIT投資」を志向していることがわかる。